2004年10月 7日(木) フォトショップでの補正

車両を真横から撮影したいという思いはずっとあるんだけど、なぜ真横で写したいかと言うと、単純に「ゆがみが少ないから」
おい、ちょっと待て、真横から広角レンズを使って撮影したら車体の中心がふくらんだ形になって歪むだろう?という声が聞こえそうだが、ちょっと待って頂きたい。
通常の形式写真は、車両が止まっている線路から2本ほど線路を開けたホームから撮影しているケースが多い。そして、撮影にあたっては対象となる車両の5メートルから10メートル程度後方から撮影しているはずだ。

下図は簡単にAuto-cadを使って車両を撮影する場合に必要な画角を描いたものだ。
自己満足で描いているので、細かい点はご容赦願うとして、中2線で10メートル後方から撮影する為の画角は25度、35ミリカメラで80ミリ相当の画角だ。
それに対して中2線で5メートル後方から撮影する為の画角は42度で、これは35ミリカメラで47ミリの画角となる。
だいたいの人がこの間の場所で、この間のレンズを使って撮影されているかと思う。

私が先にあげた「ゆがみ」だが、遠近感という部分でのもので、当然ながら手前にあるものは大きく、向こうの方にあるものは小さく感じる。
下図の中2線・10メートル後方の場所からは25度という角度のちょうどまん中に1本の破線が出ているのがわかると思う。
この線は、2つ目のベンチレーター付近で車体にぶつかっている。
この線が何を示すかと言うと、フィルムの中心線であり、この線より右側の車体がフィルムの右半分に、左側の車体がフィルムの左半分に記録されるわけだ。
だから、真横から撮影した場合、この左右比は1:1で同じ比率となるが、先の中2線・10メートル後方からの撮影だと右が1に対して左は2.4となる。

つまり、それだけ後方が小さくなって画面に収まっていると言うことだ。
このゆがみに比べたら、真横写真を広角レンズで撮影する場合の周辺部のゆがみなんてほんの微々たるものだという事がわかる。
我々は、少なくとも斜め後方(前方)から撮影する角度に慣れていて、その後方が小さくなっている写真に対して何百・何千という写真を見ている為に、目が慣れてしまって何とも思わなくなっているだけなのだ。

さて、今回のトピックは、上記の図を公開するためではなく「フォトショップでゆがみをどの程度補正できるか」というのがお題である。
実は、魚眼レンズというのがある。180度のものをフィルム面に写してしまうレンズだが、ニコンのデジカメ用現像ソフトであるニコンキャプチャー4では、10.5ミリの魚眼レンズを使って撮影した画像データを「広角変換」してくれて、水平や垂直面のどちらかを「ほぼ直線」にした形で補正してくれるのだ。

これは便利な機能だと思うのだが、現状ではニコンのローデータと、魚眼レンズは10.5ミリにしか対応していないとのこと。
こういうのが増えれば良いなぁと思うが、無いものはなんとか似たような事をしようと言うことで少し補正したのが下記の画像だ。


2004.-7.24 郡山 クハ103−236他

下の画像が補整したもので、見てもらえばわかるように、後方を広げて、前方を狭めている。
見た目がずいぶん違うと思うが、こういう補正技術を磨けば、今まで「自分の足で撮影ポイント(角度)を選択」していたのが、事後の補正である程度補える事が可能になるかも知れない。

実際に写った像を手直しするわけだから違和感をお持ちの方も多いかと思うが、例えば「シフトレンズ」なんてのは、像がレンズを通してフィルム面に至る距離を蛇腹で調整するわけで、あれも撮影時に手直ししているわけで、こういうのは一般的に認められても良いのでは?と思う。