雑誌に載らない103系

雑誌で特集がある場合、執筆者の好みで特徴車が紹介されます。
そんな事から、執筆者が「別にどうでも良い」と感じた項目については雑誌では紹介されないと言うことです。
私もレイルマガジン誌で特集を3度書かせてもらったが、3500両以上の103系なので説明しきれない事の方が多かったも事実です。
このコーナーは、趣味誌にはたぶん載らないであろう、枝葉末節な部分を、実際の調査に基づいて記載していこうと思います。
また、できるだけ証拠の写真なども掲載していければと思っています。

ランボードが大型のタイプの両数は?

新製車では1500番台54両と最終の7ユニット分のみ合計68両が該当し、冷房改造車では関西の工場で冷房改造された車両のうち昭和59年3月以降の車両56両の合計124両となります。
また、その後の改造による番号変更により、新製車・冷房改造車共に10両が出現していますので、番号だけで言うならば新製車グループ78両、冷房改造車グループ66両の144両と言うことになります。
改造車の番号については こちら をご覧下さい。

排障器(スカート)の形状

スカートは先頭車両の前位に設置され、万が一の踏切事故や落石などの障害物があった場合にも障害物を床下に潜り込まさずはね飛ばす為に設置されている。
JR東日本の一部・JR西日本・JR九州の全車に現在取付られている。

※ JR東日本
京葉線の車両に取り付けられていたが、まず試作車として2両に設置その後量産タイプを各編成に取り付けた。
京葉線は6両+4両という編成があり、途中で分割されて運転されるため、中間部分の先頭車にもスカートを取り付けたのだが、この位置には分割や併合を効率よく行うために「自動解結装置・電気連結器」が取り付けられていて、通常のスカートだと電気連結器と干渉する事から、スカート上部が切り抜かれたタイプを使用している。

※JR西日本
スカートをぶら下げるアングルが大多数は垂直に車体から降りているのだが、量産冷房車の内、明石区に配置されていた車両はジャンパ栓と干渉しない用に若干アングルが傾いている。
高運転台車も同様にアングルが傾いているが低運転台車と少し感じが違う。
JR西日本にも過去に電気連結器を装備した5000番台という車両が居た関係で、JR東日本同様(と、言うよりJR西日本の方が先だけど)干渉しないようにスカート上部を切り抜いたものもある。
電気連結器取り付けタイプでは、スカート上部は水平で電連部分のみ角形にカットしたものと、スカート上部を端からなだらかに下ろしてきて、電連部分が干渉しないようにしたタイプと2種類ある。

※JR九州
国鉄時代にスカートの取り付けが決定され一部の編成に取り付けられたが、全編成に取付が完了したのはJR化後だ。
こちらも(一般タイプ)と(電連タイプ)がある。
電連タイプは中間に組み込まれた先頭車のみであるので、必然的にクモハ103とクモハ102が該当し、一般タイプはそれ以外であるのでクハ103が該当する。

貫通扉下部の形状

貫通扉は、一般に車内床よりも若干高い位置にあるため、床と貫通扉の間にはなだらかな坂になった渡り板が設けられています。
この部分は、アルミ板が貼られたり、灰色塗装されていたりするのですが、広島車の一部には滑り止め付き鉄板が付いていたり、延命N工事車の一部にはFRP製の滑り止めがつけられてたりしています。
画像入りの解説は こちら をご覧下さい。

2006.-2.-4 Nobuyuki Nagao