電車運転理論入門 |
01 はじめに |
運転理論なんて簡単 運転理論と言えば、すごく難しそうに感じるんだけど、小学校の四則演算が出来れば、誰だって計算ができる程度のものなんだけど、計算の元になる各車両の性能図が一般には公開されていないし、加速の時にどの程度のパワーを使うかを示す限流値の値なども調べるのに苦労するので、少し敷居が高いように感じてしまう。 どんな計算をするのか 電車が走り始めて止まるまでの運動を数値化するわけだが、それらは公式に値を当てはめていけば良い。また加速時の計算では少し区間ごとの走行距離や走行時間を出していかなければならないが、それ以外の部分ではかなりばっさりと計算してしまっている。 加速計算電車が走り始めるときや、ある速度から更に速度を高めるときなどの計算。主に、モーターの力と電車の編成重量にて計算されるが、その計算結果に勾配等の列車抵抗を差し引いて最終的な値を出す。 惰行計算電車はある一定の速度まで達すると、多くの場合はモーターを止めて惰行運転をする。その場合、列車抵抗によって徐々に速度が下がっていくのだが、その時の計算を行う。主に編成重量・編成両数・列車抵抗が計算に必要になる要素だ。 ブレーキ計算最終的に電車は停止しなければならないので、ある速度から停止までの計算を行う。厳密に言えば車輪をブレーキシューで押しつける空気ブレーキやモーターに電流を流してその抵抗をブレーキにする電気ブレーキの各々のブレーキ力を足して計算しなければならないのだが、実際のブレーキ時の運転士の操作は、加速時と違ってブレーキを一定で停止まで行う事はまずありえない。よって、このブレーキ時の計算は、平均減速力という簡単な数値化によって行われる。細かい計算はせずに減速度2.25km/h/sにて60km/hから停止するまでの時間と距離などを計算する事になる。 どんな部分まで扱うのか ここでは、上記に記した加速計算・惰行計算・ブレーキ計算を元にするが、基本的には「平坦線」を元に計算をすすめていく。実際に車両が走る場合は、勾配も曲線もない平坦な路線だけを走る事はあり得ず、またモーターの性能に直接関連する架線電圧なども変動したりするのだが、ここではそういう要因は省いてしまう。 |