異議あり!

鉄道ピクトリアル2010年6月号の運転理論

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走行距離による加速比較

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問題と考える記述

2009年2月イカロス出版発行 「Jとれいん」33号 P.106-P.107
「運転士から見た201系」

P.107の「製造時期が近いこともあってか、201系と115系1000番代は似たところがおおかったですね。運転台パネルもほとんど同じですし。ただ、115系の方が多少加速が良くなっています。同じ駅から発車しても100km/hに達するポイントが115系の方が若干手前でした。

問題と思えた部分

 加速という判断を距離と速度だけで考えている。

それがなぜ問題なのか

 加速度の単位は「km/h/s」であり、一秒間に時速がどの程度上がっていくかで示します。だから100km/hに達する時間が50秒であれば平均加速度は2km/h/sですし、40秒であれば平均加速度は2.5km/h/sとなります。
 要は「時間」という要素がなければ加速と言うものの比較が出来ないのに、この記事では距離だけで加速の判断をしています。
  また、根本的に配慮してもらいたい点として、電車は等加速度運動をしているのではないと言う事です。だから、加速と言うのは低速・中速・高速と電車の特性に変化していきます。それらを配慮せずに100km/hという速度でのみ加速の判断をしていると言う点です。
 例えば高速域の加速は115系の方が良いのような表現であれば問題は無いのですが、ある特定の速度域を見るだけで全体の加速を評価している所に無理があると考えます。
 つまり、著者のこの論理で行くと、一番加速の良い車両は新幹線と言う事になってしまいます。時速130kmまでの加速と言う意味では113系よりも新幹線0系の方が上になるでしょう。だからと言って、113系は0系より加速が悪いと言って良いのかどうかと言う問題です。
また、この著者は、加速が良ければ目的地に早く着けると思っているようで、実際の走行距離と速度・時間の関係について混乱してる部分もあるようです。(これは後のピクの記事で判明)

こう考えたのかも

 電車の加速が等加速度運動をしていれば、到達した距離と時間は加速度に比例します。著者は電車が等加速度運動をしているものだと思っていたので、距離と速度を示すだけで全てが語れると考えたのかも知れません。
 この推測についてはピクトリアルでの計算式が等加速度運動を用いた式を使ってる点である程度明らかになっています。

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